平成22年「先輩の授業を受けよう!」関連記事

附中では創立50周年(1997年)の記念行事として、前年5月から卒業生による特別授業「先輩の授業を受けよう!」を断続的に実施してきました。後に定期的開講を目指し2008年からは皐城会の協力事業に、2010年からは学校・皐城会・PTAの共同事業としてますます発展しています。
 
「先輩の授業を受けよう!」は生徒たちに、

  1. 先輩から生き方を学んで欲しい。
  2. 学校に対する誇りと自信を持って欲しい。
  3. 自分探しの 機会にして欲しい。

等を主旨としています。

皐城会では講師をしていただける卒業生の皆さまを広い職種から募集しています。
詳しくは皐城会事務局までお問合せください。
 


本年は9月11日(土)に開講いたしました。各講座の概要は下記のとおりです。
 

「先輩の授業を受けよう!」講師一覧
講座 講師 紹介 テーマ
1 加藤恵美子 シニアグループ基礎英会話座長 9回の短期海外語学ステイの体験と失敗談
2 川部重臣 人を元気にする地域活性化プランナー 人を動かすコミュニケーション
3 福嶌教偉 大阪大学医学部付属病院 移植医療部 副部長 臓器移植って、なあに?
4 多賀佳子 助産師・多賀助産院 母親になるってどんなこと?
5 坂本勇二郎 医師・坂本病院院長 老いの構造
6 森 悦秀 九州大学大学院 歯学研究院 教授 これからの歯科医の仕事
7 伊津野和行 立命館大学 理工学部都市システム工学科 教授 防災について考えよう
8 須山公美子 歌手 シャンソン出前ミニライブ
伴奏
河村眞千子
9 美濃部五三男 獣医師・動物病院院長 人と動物の絆と獣医師の仕事
10 林家竹丸 落語家 オチを笑おう、なぞかけを作ろう
11 関根友実 アナウンサー、カウンセラー 音声表現の楽しさを味わう
12 梅村 聡 参議院議員、医師 いのちの現場から国政へ
13 青柳万美 フリーアナウンサー ラジオ番組を作ってみよう
14 吉野直樹 文部科学省初等中等教育局財務課 国の未来をつくる仕事を体験しよう!
15 月田有香 舞台俳優・俳優 「ドラマ」の授業を受けてみよう!
16 尾崎悠一 首都大学東京 大学院社会科学研究科 准教授 法学とはどういう学問か

スペースの都合上、紹介およびテーマは一部省略いたしました。

講師のみなさんと

sempai_2010

参加された方から

第1講座 4期生 加藤(旧小浜)恵美子さん 

 去る9月11日(土)耐震工事成った母校を30余年振りに訪れました。前開きになったセーラー襟と赤いボウの女子制服を若かりし?オカッパ頭の自分の姿と重ね合わせて懐かしさが胸に溢れました。私は3年間、A組でしたが奇しくもA組の教室に当たり感無量でした。
教室には最新のデジタルTVが高い場所に設置してあり、PCから直接繋いで、パワーポイント、動画仕立ての「IT紙芝居」を投影しました。プロジェクター投影より遥に鮮明な映像で、私の自分史「還暦からの9回の海外ホームステイ」のテーマ、2回分余りを臨場感ある場面として能率的に進めることが出来ました。目覚ましいIT機器の進歩の元で学ぶ後輩達を頼もしく思い「4期生として早く生まれ過ぎたかナ?」との思いが過ぎりながら、田舎の文教所の様な旧木造校舎の学び舎が走馬灯の様に目に浮かびました。
480人の全生徒が16人の講師の各テーマの講座に約30人ずつに分かれて授業を受けました。この要請を受けた時、将に孫年代!ゼネレーションの違いを思い戸惑いましたが、後輩達の静かに集中して興味深げに?受講する姿は有意義で、この上ない喜びを感じました。
目下、充実感、開放感を心地良い疲れと共に附中卒業生として誇りと幸せを実感しています。
尚、3期生、(故)小浜維人(元NHKニュースキャスター)、附中の1学年上のクラスに常に在籍していた年子の兄が天国からシッカリとパワーを送って励まし、魂が教室に存在していたのではないか?と思います。皆々様!感謝!感謝!


第2講座 川部重臣さん

 教え子との再会に、感慨!
50周年のプレ行事として始まった先輩の授業ですが3回に分けて実施された第一回の授業で、僕の授業を選んでくれた青柳万美さん(49期)が今年は講師として一緒に参加。学生時代の彼女は俳優志望で、東京皐城会の若いゲストとして
「声に出して読みたい日本語」を朗読してもらったり演劇に誘ったりの付き合いもあっただけに嬉しい出来事でした。人を動かすコミュニケーションという授業を通して、どのような分野においても大切なコミュニケーションのことを伝えたいと願っています。


第3講座 福嶌教偉さん 

 24期生(同期)の講師が多かったこともあり、3年ぶりの附中訪問以上に、懐かしかった。ただ、村上先生のいらっしゃった家庭科の部屋が改築され、昔の面影が無くなっていたのは残念だった。
移植医療といのちの大切さについて話したが、皆熱心に聴いてくれたが、あまり質問がなかった。アンケートが楽しみである。だいぶスライドを減らして皆の顔を見ながらお話をしたつもりだが、何かもっと具体的なものの方が良かったのか、とも思えた。
附中はいつまでも私の心の故郷であり、また機会があれば講師をお引き受けしたいと思う。


第6講座 森悦秀さん

 今回の講義では、現在歯科で行われている治療の話ではなく、これからの歯科はどうなるべきか、どのように変わるのかという内容でしたので、一部の方にはちょっと期待外れだったのかなと思いました。しかし、(歯科)医療がこれからどう変わるべきかという議論を真摯に受け止めて、熱心に聞いていただいたことに感謝しています。附属中学の建物の形は昔とあまり変わっておらず、先生方、生徒の皆さんの雰囲気からも、中学生の頃の自分を思い出しました。また機会があれば、夢のある話を持ってうかがいたいと思います。


第7講座 伊津野和行さん

 附中生はとにかく元気でした.地震防災に使われる高減衰ゴムという「跳ねないゴム」があるのですが,ゴムに何を混ぜたら跳ねなくなる?という質問に,元気に「気合い!」と答えてくれました.気合いで防災ができたら簡単なのですが,こういう元気も大事だと思います.こちらのしょうもない質問には,ちゃんとボケた答を返してくれ,楽しい授業になりました.どれだけ役だっているのかわかりませんが,少しでも後輩たちの刺激になればと思う次第です.


第10講座 林家竹丸さん(前田仁さん)

 カタイことは抜きの授業です。受講してくれたのは全員、男子生徒でした。男子は女子ほど笑わへんのでは、と心配する間もないほど、みんなノリがええし、話への反応が速い。私が小噺と落語を実演したあと、みんなに謎かけを作ってもらいました。ある生徒の作品です。野球とかけて国会と解く、そのココロは「投手(党首)が内角(内閣)を攻めます」。うますぎる!座布団10枚! 今度、舞台で使わせてもらうで。
講師の控え室で、参議院議員の梅村聡さんもこれに感心しておられました。生徒諸君、先生方、PTAの皆様のおかげで楽しく過ごせた1日。ありがとうございました。


第11講座 関根友実さん

 後輩たちに授業をする時には自分の中で新しいチャレンジをすると決めていて、今年は「アナウンサー、カウンセラー」という肩書で授業をさせていただきました。アナウンサーの発声法の基礎である「腹式呼吸法」を生徒たちに実践してもらった後、心理学の分野の「自律訓練法」を体験してもらって、自分の身体を通して呼吸をしたり、声を出したりする中で、緊張を緩和することもストレスを解消することもできるということを学んでもらいました。生徒たちの好奇心に満ちた瞳に、私の方が元気とパワーを頂きました。

  • 第12講座 梅村聡様 仕事柄、中学生を対象にお話しすることがほとんどありませんので、私にとっても楽しいひと時でした。自分自身の附中時代を振り返ると充実した日々でしたが、附中生の置かれている環境を考えると「多様な価値観」に触れることが少なかったと思います。その点を少しでも補えることができれば嬉しいです。生徒さんの真剣な眼差しが印象的でした。今後も是非継続していただきたいと思います。そしてこの事業が継続する限り、私も卒業生の一人として協力させていただければ幸いです。

    第13講座 青柳万美さん

     校内で正午に放送する設定で<フリートークとメッセージ・曲紹介>というラジオのリクエスト番組を制作側とリスナー側に分かれて作り上げてもらいました。誰もがメッセージを工夫していて、どの番組も楽しく聞くことが出来ました。練習せずに二十分ほどで番組制作をこなせるという附中生の潜在能力はすごいです。
    私はこの先輩の授業を受けた最初の期です。社会にはこういう立場の人がいるという認識、プロと接したという経験として蓄積されています。今回の私の授業から、「ラジオってメディアも面白い」そんな記憶を持ってもらえれば幸いです。


    第14講座 吉野直樹さん

     この「先輩の授業を受けよう」という取り組みは、自分が生徒会長を務めていた96年に始まったものです。運営に奔走した自分が、こうやって講師として教壇に戻ってきたのは感慨深いものがありました。
    教育を通して人の役に立ちたいという信念のもと、教育行政の場で汗を流している自分にとって、学校という「現場」、まして附中という愛すべき「母校」で自分の教育に対する思いを伝えられたのは本当にいい経験でした。
    自分が人生で最も成長したのは附中の3年間だったと思います。自分を育ててくれた母校のお役に少しでも立てているなら幸いです。本当にありがとうございました。


    第15講座

     月田有香さん

    「ドラマの授業を受けてみよう!!」の講師をさせて頂いて

     母校の附属池田中学校で、講師として授業をさせていただくとは夢にも思っておりませんでしたので、このような機会を頂けたこと、心より感謝します。
    授業ではインプロ(即興劇)を使った数々のゲームに、生徒の皆さんにチャレンジしていただきました。インプロはもともと俳優の訓練の為に作られたものですが、根本には「物事を肯定する姿勢」があります。物事を肯定することによって、新たな発想力、想像(創造)力、表現力、仲間とのコミュニケーション等が生まれるわけです。授業では、色々な表現をする羽目になった生徒さんたちは、確かに最初は恥ずかしがっていましたが、時間が立つにつれて独自のアイデアや表現を見せてくれました。大人では決して思いつかないような柔軟な姿勢を持ち、素晴らしいチームワークで数々の創造、表現をしていく皆さんの様子は、化学反応目の当たりにしているようでした。一俳優として、皆さんの表現力にはただただ目を見張るばかりで・・。そしてあんなに笑ったのも久しぶりでした。皆さんにお会いできて本当に嬉しかったです。
    この授業が少しでもみなさんの今後の未来に役に立ち、糧になることがあれば、これほど嬉しいことはありません。本当にありがとうございました。


    第16講座 尾崎悠一さん

     講師として参加する機会をいただき大変光栄でした。私の授業は,(1)「大学の授業」を体験してもらう,(2)「法学」とはどのような学問か少しでも触れてもらう(断じて法律の「暗記」ではない),(3)中学や高校での学びが大学での学びにつながっていることを少しでも感じてもらうという3点を目的としました(どの程度達成できたのかは心許ないところです)。やや難易度が高く,また,分量も多かったかもしれないと反省しています。
    授業後に質問をしてくれる受講生もいて大変嬉しかったです。また,授業で使ったパソコンやiPodに興味津々な附中生を見ていると昔の自分(パソコン部にいました)を思い出すようでした。